身内に不幸があって、少しのあいだ東京を離れたりしていた。齢を重ねたからかどうか、自分でもよくわからないのだけど、人の死というものは、あたかも白い灰が心の底に堆積していくような感覚として残る。そして心は、命は、その重みを増して行く。
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