映画CMは難し

また映画のCM話で恐縮ですけども。(HUDとは無関係ですよ)
テレビCM見てて思うんだけど。あのさ、CMでさ、一番のハイライトを見せちゃったりするじゃないですか。それも感動系の映画に限って、感動する場面を思いきりアピールしちゃったりする。顕著な例としては、クライマックスで主人公が叫ぶシーンとかね。
ああいう見せ場を宣伝という形で先に見せちゃうのは、果たしてどうなんでしょうか。だってよ、たとえどんなにいい映画でも、きっと劇場で「あっこの場面、CMで見たシーンだ」って頭のどこかで冷静に考えちゃうでしょ? いや、絶対考えるって。
その瞬間、それまで物語に入り込んでいた心が、間違いなくふと俯瞰になるわけで。一瞬、現実に戻されるわけで。結果としてその瞬間(感動的な良いシーンに接した瞬間)というのは、登場人物の心象に共感してるというよりも、「感動する物語に感動している」ってことになっちゃうじゃないですか。心から感動してんじゃなくて、「心の準備が出来ていた『感動するための出来事』に感動している」、っていう。うまく言えないけど。
とにかく、そこは作品にとって一番のキモじゃないですか。そこをCMで見せちゃうのは、推理小説のラストを先に読んでおくのと同じくらい愚かしいことだと思うんだけども、どうか。もっと極端に言えば、その一瞬があることによって見た者のこころに、「ま結局はエンターテインメント」っていう薄皮を被せる結果になるのではないかと思うんだがどうか。


なんて言っちゃったけど、まぁ難しいわな、アピールポイントってのは。単に無味乾燥なCM流したって、お客さんは足を運んでくれないだろうし。映像と音楽はよく並列に考えられがちだけど、そういう点においてはまったく似て非なるものですね。ハイライトを流すことの有効性っていうか、そういうのが。
あーなんか家飲みで酔ってくだらないこと書いてしまいました、すいません。いつから俺は分析家になったんだろう。


いや、アレなんですよ。制作した側と宣伝する側ってのは、圧倒的に立場が違うじゃないですか。表面上コンセンサスがあるようでその実、思惑がまったく違ったりする。そういうことを言いたかったわけです。
偏った意見、ですかね。そうですよねぇ。俺はビジネスマンにはなれないのでしょう。まいいや。