顔

ヒューザーの小嶋社長は「活字メディアの取材には応じない。説明はテレビ番組に出演して直接、視聴者に訴える」と言ってるそうだ。おそらく、活字系は言葉の一部だけを捉えて報道するから嫌だ、テレビは時間の許す限りはありのままを伝えるから良いということなのだろう。言葉通り、彼はワイドショーなどには頻繁に出演して釈明を重ねている。
圧倒的な疑惑の目、完全な悪者扱いの目で見ている視聴者の前に繰り返し姿を現し詭弁を弄することが、活字メディアによる糾弾よりもどれだけ不利かということには、まるで考えが及ばないのだろう。
事実、見ているこちらには、この事件に関わりのある他のどの人物よりも、あのオッサンの顔が強くインプットされた。この先「耐震強度偽造事件」といえば、まずあの顔を思い出すかもしれない。
「自分は人前でちゃんと言い訳すれば説得できる人間だ」と思っていたのだろうか。だとしたら考えが甘い。甘すぎる。もちろんこの問題はメディアへの対応がどうとかいう次元の話ではないが、なんかあの人に関しては特に、言動から底の浅さが見えまくって、どうにも悲しい。
ともあれ、なんとか罪のない住民が痛手を負うことのない形で決着して欲しいものだ。人ごとではない。